✅この記事でわかること
- 幾何平均と算術平均の本質的な違い
- 証券アナリスト試験での使い分け方
- 初心者がよくやる間違いと、合格者の勉強法
- 受験生のリアルな体験談
✅結論:投資リターンの評価は「幾何平均」が基本です
証券アナリスト試験で問われる「投資の成績」や「実質利回り」は、幾何平均で考えるのが原則です。
なぜなら、投資では「複利」が前提になるから。
一方、算術平均は予測や期待リターンに使うもので、うわべの平均値しか示せません。
1. 幾何平均と算術平均ってなにが違うの?
● 算術平均とは
「足して割るだけ」の単純な平均。
(+20\% + -10\% + +30\%) ÷ 3 = 13.3\%
これは値動きの平均値を表しているだけで、「お金が実際にどれくらい増えたか」はわかりません。
● 幾何平均とは
「掛け算して、ルートを取る平均」。
つまり、複利を考慮した、実際の成長率を表します。
(1 + r_1)(1 + r_2)…(1 + r_n)^{1/n} – 1
投資家にとって「実際にどれくらい増えたのか?」を正確に示してくれるのがこちら。
2. 具体例で比較してみる
▼こんな投資成績だった場合
| 年 | リターン |
| 1年目 | +50%(1.5倍) |
| 2年目 | −50%(0.5倍) |
▼算術平均の場合
(+50% + -50%) ÷ 2 = 0%
→ プラスもマイナスも同じだから±ゼロ。
でもこれ、実際には100万円 → 75万円になってる。
▼幾何平均の場合
(1.5 × 0.5)^{1/2} − 1 = 約−13.4%
→ こちらが本当にあった成長率(損失)。
だから、投資成績の評価には幾何平均が必要。
3. 証券アナリスト試験ではどう出る?
▼このように覚えよう
| 問題に出る言葉 | 使うべき平均 | 理由 |
| 「期待リターン」 | 算術平均 | 未来の予測だから |
| 「実質成長率」「複利ベース」 | 幾何平均 | 実績評価に必要だから |
| 「年率換算」 | 幾何平均 | 年ごとの成長を表すから |
4. 私がつまずいたポイントと気づき
正直、最初はこの2つの違いがまったくわかりませんでした。
テキストを読んでも「意味が似てるような言い方をしている」し、
実際に問題を解いても「正解はできるけど理解してない」状態が続きました。
でも、「平均なのに資産が減ってる」ことに気づいた瞬間、すべてがつながりました。
それからは、「算術=見かけ、幾何=リアル」という整理ができるようになりました。
5. よくある間違いをなくすチェックリスト
- 「年率」で聞かれたら幾何平均を使っているか?
- 「予想リターン」で算術平均を選べているか?
- ボラティリティがある場合、幾何平均との差を意識しているか?
- 出題意図を問題文から見抜けているか?
この意識があるだけで、ケアレスミスを防げます。
6. 幾何平均の注意点(試験で狙われる)
- 幾何平均は算術平均より常に低いか、同じ
- リターンの変動が大きいほど、幾何と算術の差は大きくなる
- → この仕組みを知っておかないと、グラフ問題などでミスをします
✅まとめ:もう一度、違いを明確にしよう
| 観点 | 算術平均 | 幾何平均 |
| 計算方法 | 足して割る | 掛けてルート |
| 向いている用途 | 予測・期待リターン | 実績・複利計算 |
| 金融での役割 | 見かけの平均 | 現実の成長率 |
| 試験の出題傾向 | 「期待」や「予想」 | 「実質」「複利」や「年率」 |
✅最後に:受験生に伝えたいこと
証券アナリストの試験勉強は、とにかく抽象的な言葉や式が多くて「意味がわからない」と投げたくなるときがあります。
でも、今回の「幾何平均 vs 算術平均」のように、数字の裏にある“意味”に気づいた瞬間、一気に理解が進みます。
僕自身、「ああ、これが“金融リテラシー”ってやつか」と思いました。
試験を突破するためだけでなく、自分の投資判断にも使える本質的な知識として、これは絶対に押さえておくべきです!

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